ドライフラワーアレンジメントを始めたきっかけと初心者時代の失敗談
正直に告白すると、私がドライフラワーアレンジメントを始めたのは、コロナ禍で在宅時間が増えた2021年春のことでした。当時は営業職として働いていましたが、毎日のリモートワークでストレスが溜まり、何か手を動かす趣味が欲しいと思ったのがきっかけです。
最初にSNSで見かけた美しいドライフラワーアレンジメントの写真に魅了され、「これなら私にもできそう」と軽い気持ちでスタートしました。しかし、この「簡単そう」という思い込みが、後に数々の失敗を生むことになったのです。
初回作品で学んだ「乾燥の重要性」
記念すべき最初の作品は、近所の花屋で購入したバラとかすみ草を使ったシンプルなアレンジメントでした。YouTubeで「ドライフラワーの作り方」を15分ほど見て、すぐに実践開始。生花をそのまま逆さに吊るして1週間待ち、「これで完成!」と意気込んでアレンジメントを作りました。
ところが、完成から3日後に悲劇が起こります。せっかく作った作品にカビが発生してしまったのです。原因は乾燥不足でした。バラの花びらが厚く、中心部分が完全に乾燥していなかったのです。この失敗で学んだのは、花材によって乾燥期間が大きく異なるということ。バラなら最低2週間、湿度の高い梅雨時期なら3週間は必要だったのです。
色落ちで台無しになった2作目の教訓
1作目の失敗を受けて、2作目では乾燥期間を十分に取りました。今度はユーカリとラベンダーを使った壁掛けタイプのアレンジメントに挑戦。乾燥も成功し、見た目も満足のいく仕上がりになりました。
しかし、リビングの窓際に飾って1ヶ月後、またしても問題が発生。美しい紫色だったラベンダーが茶色く変色し、ユーカリの葉も色あせてしまったのです。原因は直射日光でした。ドライフラワーは紫外線に弱く、日当たりの良い場所に置くと急速に劣化することを身をもって学びました。

この経験から、ドライフラワーの適切な保管場所について徹底的に調べました。結果、以下の条件が重要だと分かりました:
- 直射日光の当たらない場所
- 湿度が低く風通しの良い環境
- 温度変化の少ない場所
- ホコリが付きにくい場所
3作目で気づいた「花材選び」の重要性
前回の教訓を活かし、3作目では日陰の玄関に飾ることを前提にアレンジメントを制作しました。使用したのはガーベラ、カラー、アジサイの組み合わせです。
今度こそ成功すると思いきや、ガーベラの花びらがポロポロと落ち始めました。実は、すべての花がドライフラワーに適しているわけではないということを、この時初めて知ったのです。ガーベラは水分量が多く、ドライフラワーにすると花びらが剥がれやすくなる特性があったのです。
この失敗を機に、ドライフラワーに適した花材について本格的に勉強を始めました。初心者におすすめの花材として、以下のようなものがあることを学びました:
– バラ(小輪系):乾燥しやすく形が崩れにくい
– かすみ草:軽やかで他の花材との相性が良い
– ユーカリ:香りも楽しめ、色持ちが良い
– スターチス:色鮮やかで長期保存が可能
これらの失敗体験を通じて、ドライフラワーアレンジメントには想像以上に奥深い知識と技術が必要だということを痛感しました。しかし同時に、失敗から学ぶ過程そのものが、この趣味の魅力の一つでもあると感じています。
初心者が揃えるべき基本道具と材料選びの実体験
私がドライフラワーアレンジメントを始めた3年前、最初の作品作りで大失敗した経験があります。必要な道具を十分に調べずに見切り発車してしまい、せっかく購入したドライフラワーを台無しにしてしまったのです。その苦い経験から学んだ、初心者が本当に必要な道具と材料選びのポイントをお伝えします。
最低限必要な基本道具は5つだけ
私の失敗体験を踏まえ、実際に3年間使い続けている必須道具をご紹介します。総予算は約3,000円で、すべて100円ショップやホームセンターで揃えられます。
1. フローラルハサミ(または園芸用ハサミ)
普通のハサミを使った初回の失敗から学びました。茎が潰れてしまい、水分が残って腐敗の原因となったのです。専用ハサミを使うようになってから、作品の持ちが2倍以上良くなりました。
2. フローラルフォーム(オアシス)
スポンジ状の土台で、ドライフラワーを挿して固定します。私は最初、発泡スチロールで代用しようとして大失敗。茎が抜けやすく、見た目も不自然になってしまいました。
3. ワイヤー(#24〜#26番)
茎の補強や造形に使用します。太すぎると目立ち、細すぎると強度不足になるため、この番手がベストです。

4. フローラルテープ
ワイヤーを巻いた部分を隠すために使用。最初は普通のテープで代用していましたが、時間が経つと剥がれてしまい、専用テープの重要性を痛感しました。
5. ベース容器(花器)
初心者には口径8〜10cm程度の陶器製をおすすめします。私は最初にガラス製を選んでしまい、重心が安定せず何度も倒してしまいました。
材料選びで作品の完成度が8割決まる
ドライフラワーアレンジメントにおいて、材料選びは技術以上に重要だと実感しています。私が試行錯誤を重ねて見つけた、失敗しない材料選びのコツをお伝えします。
初心者向けドライフラワー5選
花材名 | 特徴 | 持続期間 | 価格目安 |
---|---|---|---|
スターチス | 色鮮やか、形崩れしにくい | 6ヶ月以上 | 300円〜 |
カスミソウ | ボリューム出し、どんな花とも相性良 | 4ヶ月程度 | 200円〜 |
ユーカリ | 香りが良い、グリーンの差し色 | 8ヶ月以上 | 400円〜 |
ラベンダー | 香り、色合いともに上品 | 5ヶ月程度 | 350円〜 |
千日紅 | 丸い形が可愛い、色落ちしにくい | 7ヶ月以上 | 250円〜 |
購入場所による品質の違いを実際に検証
3年間で様々な場所からドライフラワーを購入し、品質と価格を比較検証しました。
専門店:品質は最高ですが、1束500円〜と高価。月1回の特別な作品作りに最適。
100円ショップ:コストパフォーマンスは良いものの、色落ちが早く約2ヶ月で劣化。練習用としては十分です。
ネット通販:品質と価格のバランスが良く、私は現在メインで利用。ただし実物確認ができないため、レビューを必ずチェックしています。
手作り(自然乾燥):最もコストを抑えられ、愛着も湧きます。バラを自然乾燥させた初作品は、3年経った今でも大切に飾っています。
初心者の方は、まず100円ショップの材料で基本技術を身につけ、慣れてきたら専門店の高品質な材料にステップアップする方法がおすすめです。私もこの方法で、失敗を最小限に抑えながらスキルアップできました。
ドライフラワー作りの基本手順を実践しながら覚えた方法
私がドライフラワー作りを始めた当初、最も苦労したのは「どの花をいつ、どのように乾燥させるか」という基本的な判断でした。最初の1ヶ月間は失敗続きで、せっかく購入した生花を何度も無駄にしてしまい、正直心が折れそうになりました。しかし、試行錯誤を重ねる中で効率的な学習方法を見つけ、3ヶ月後には安定してドライフラワーアレンジメントを作れるようになりました。
花材選びから乾燥まで:失敗から学んだ実践的手順

適切な花材の見極め方は、実際に触って確認することが最も重要です。私は最初、見た目だけで判断していましたが、茎の太さや花弁の水分量を手で確認するようになってから成功率が格段に上がりました。具体的には、茎を軽く押してみて弾力がありすぎるものは避け、花弁が少し乾燥気味のものを選ぶのがコツです。
乾燥方法については、ハンギング法(逆さ吊り)とシリカゲル法の2つを使い分けています。ハンギング法では、バラやスターチスなど茎が丈夫な花材を使用し、風通しの良い場所で2-3週間かけてゆっくり乾燥させます。一方、シリカゲル法は花弁が繊細なガーベラやカスミソウに適用し、密閉容器内で1週間程度で完成させています。
アレンジメント技術の段階的習得法
実際のアレンジメント作業では、色彩バランスの法則を意識的に学習しました。最初の2ヶ月間は、メインカラー60%、サブカラー30%、アクセントカラー10%の比率を厳密に守って作品を作り続けました。この基本を身につけた結果、現在では直感的に美しい配色ができるようになっています。
習得段階 | 期間 | 重点ポイント | 作品数 |
---|---|---|---|
基礎習得 | 1-2ヶ月 | 乾燥技術の習得 | 10作品 |
応用技術 | 3-4ヶ月 | 色彩・構成の理解 | 15作品 |
創作レベル | 5-6ヶ月 | オリジナル作品制作 | 20作品 |
効率的な技術向上のための記録方法
私が最も効果を感じた学習方法は、作品ごとの詳細記録を残すことでした。使用した花材の種類、乾燥期間、完成までの日数、失敗した箇所などを写真付きでノートに記録し続けました。6ヶ月後に振り返ると、自分の成長過程が明確に見えるだけでなく、同じ失敗を繰り返すことがなくなりました。
特に季節ごとの花材特性を理解することで、年間を通じて安定したドライフラワーアレンジメント制作が可能になります。春のチューリップは乾燥が難しく、夏のヒマワリは茎の処理が重要、秋のコスモスは色合いの変化を楽しめる、冬のユーカリは香りも楽しめるなど、実践を通じて得た知識は書籍では学べない貴重な財産となっています。
現在では、この経験を活かして友人の結婚式用アレンジメントを手がけたり、地域のワークショップで講師を務めるなど、趣味を超えた活動にも発展させることができました。
アレンジメント初心者が陥りがちな失敗パターンと対策
私がドライフラワーアレンジメントを始めて3ヶ月間で経験した失敗は、実に15回以上。その中から特に多くの初心者が陥りがちなパターンを分析し、効果的な対策をご紹介します。これらの失敗を事前に知っておくことで、無駄な材料費と時間を大幅に削減できるはずです。
色選びの失敗:統一感のないちぐはぐなアレンジメント
最も多い失敗パターンが、好きな花を適当に組み合わせて統一感を失うケースです。私も初回作品では、ピンクのバラ、黄色のかすみ草、紫のラベンダーを組み合わせて、まるで子供の塗り絵のような仕上がりになってしまいました。
効果的な対策:
– 同系色でまとめる:初心者は2〜3色以内に抑制
– メインカラー6割、サブカラー3割、アクセント1割の配色比率を意識
– スマートフォンのカメラで事前に配色バランスをチェック
実際に私が成功した配色例では、ベージュ系のバラとユーカリをメインに、アクセントとして深紅のペッパーベリーを少量加えた組み合わせが、SNSで30いいね以上を獲得しました。
花材の準備不足による作品の劣化
ドライフラワーアレンジメントで見落としがちなのが、花材の前処理の重要性です。私は最初の2作品で、十分に乾燥していない花材を使用し、1週間後にカビが発生するという痛い経験をしました。

前処理チェックリスト:
– 茎を触って完全に水分が抜けているか確認
– 花びらが簡単に落ちないか軽く触れてテスト
– 湿度の高い日(60%以上)は作業を避ける
– 作業前に花材を2〜3日追加乾燥させる
特に梅雨時期(6〜7月)の制作では、除湿器を使用した部屋で3日間追加乾燥させることで、作品の持続期間が2ヶ月から6ヶ月へと大幅に延長できました。
バランス感覚の欠如:不安定で美しくない構図
アレンジメントの視覚的バランスを無視した配置も、初心者が必ず通る失敗道です。私の場合、高さの異なる花材をランダムに配置し、どこを見れば良いか分からない散漫な作品を量産していました。
構図改善の具体的手法:
要素 | 失敗例 | 成功例 |
---|---|---|
高さ | 全て同じ高さ | 高・中・低の3段階構成 |
配置 | 左右対称 | 三角形を意識した非対称バランス |
焦点 | 焦点が不明確 | メイン花材を明確に設定 |
実践的には、三角形の頂点を意識した配置が最も効果的でした。メインとなる大きな花材を頂点に、その左右下に中程度の花材、全体の隙間を小さな花材で埋める手法で、初心者でも安定した美しさを実現できます。
道具選びの軽視による作業効率の低下
「とりあえず家にあるもので」という考えで始めた結果、作業時間が3倍かかり、仕上がりも粗雑になるケースが頻発しました。特に花用ハサミとフローラルフォーム(花材を固定するスポンジ状の土台)の品質は、作品の完成度に直結します。
初心者向け最低限の道具投資(総額3,000円程度)で、作業時間を2時間から45分に短縮でき、完成度も格段に向上しました。就職活動でのポートフォリオ作成や副業展開を考えている方には、初期投資として必要不可欠な要素です。
これらの失敗パターンを事前に把握し、対策を講じることで、ドライフラワーアレンジメントの習得期間を大幅に短縮できるでしょう。
色合わせとバランス感覚を身につけるまでの練習過程
ドライフラワーアレンジメントで最も難しく、同時に最も重要なスキルが色合わせとバランス感覚です。私が初心者の頃、単純に「好きな花を組み合わせればいい」と思っていましたが、実際に作品を作ってみると、なんとなく違和感のあるアレンジメントばかりができてしまいました。そこから約6ヶ月間、集中的に色彩理論とバランス感覚を身につける練習を重ねた経験をお話しします。
色彩理論の基礎を実践で身につける方法
最初の2ヶ月は、色相環(しきそうかん)※色を円状に配置した図表を使った基本練習から始めました。ドライフラワーアレンジメントでよく使われる色の組み合わせパターンを、実際の花材で試すことが重要です。
私が効果的だった練習方法は、週に3回、以下の色合わせパターンを1つずつ作ることでした:
- 同系色配色:ベージュ→茶色→濃茶のグラデーション
- 補色配色:紫のスターチス×黄色のミモザ
- 類似色配色:赤→オレンジ→黄色の暖色系

特に印象的だったのは、3週目に作った補色配色のアレンジメントです。最初は「紫と黄色なんて合わない」と思っていましたが、実際に組み合わせてみると、お互いの色が引き立って非常に印象的な作品になりました。この経験から、理論を実践で確認することの大切さを実感しました。
バランス感覚を磨く段階的練習法
色合わせができるようになった3ヶ月目からは、視覚的バランスの練習に集中しました。ドライフラワーアレンジメントでは、花の大きさ、形、配置すべてがバランスに影響するため、体系的な練習が必要です。
私が実践した練習スケジュールは以下の通りです:
練習期間 | 重点項目 | 使用花材数 | 完成目標時間 |
---|---|---|---|
1週目 | 三角形の基本バランス | 3種類 | 30分 |
2-3週目 | 高低差のバランス | 5種類 | 45分 |
4週目 | 全体の統一感 | 7種類 | 60分 |
最も効果的だった練習は、写真撮影による客観視でした。作品を様々な角度から撮影し、翌日に見返すことで、制作中には気づかなかったバランスの崩れを発見できました。4ヶ月目には、撮影した写真を見て「ここの空間が空きすぎている」「この花の配置が不自然」といった問題点を即座に判断できるようになりました。
失敗から学んだ効率的な上達のコツ
練習過程で最も印象的だった失敗は、5ヶ月目に挑戦した大型アレンジメントです。色合わせは完璧だったのですが、視線の流れを考慮していなかったため、見る人の目が迷ってしまう作品になってしまいました。
この失敗から学んだのは、「フォーカルポイント」(視線が最初に向かう中心点)の重要性です。その後の練習では、必ず最初にメインとなる花材を決めてから、その周りに他の花材を配置するようにしました。この方法により、統一感のあるドライフラワーアレンジメントを安定して作れるようになりました。
現在では、色合わせとバランス感覚が身についたことで、お客様の要望に応じたオーダーメイド作品も制作できるようになり、副業として月3-5万円の収入を得ています。就職活動や転職活動でも、実際の作品を持参することで、創造力と継続力をアピールする強力な武器となっています。
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